留学体験談 – 子供の短期留学

5才の女の子 海外ひとり旅

  • 名前:玉城綾乃様
  • 学校:
  • 留学期間:

一度も振り返らずに、飛行機に乗っていった娘

出国ギリギリの時まで、二人っきりになると祖母は、「綾乃、嫌なら今からでも止めても良いのよ。アメリカに行ったら誰もいないのよ。帰りたくても帰れないのよ!」と、私の居ない所で言い続けていたそうです。

しかし、娘本人は、「おばあちゃん、私もさびしいよ!でもすぐ会えるやん。だから私はアメリカに絶対に行く!」と何度も、祖母に気丈に振舞って言い返してきたそうで、後でそのエピソードを聞かされました。

出発前日も、いつも通りにぐっすり眠り、当日は朝起きて第一声は、「今日からアメリカに行くねん」でした。
祖母は寂しさと不安とで複雑な心境だったようです。それは私も同じ気持ちでした。

しかし、出発当日の娘は朝から違っており、いつもは「抱っこ、荷物を持って?」と甘えることが多いのに、空港に着いても自分の荷物は自分で持ち、誰にも助けを求めず、抱っこも一度も私に言わないまま搭乗口に進んで行きました。
「行ってきます!」と笑顔で手を振りまいて中に入ってからも振り返る事も無く、ひたすら前に前にと進んで行きました。
私も知らないたくましい娘がそこにいました。

マリリンモンローって誰やねん!

娘は写真の相手がマリリンモンローだよ、と言われてもわからなかったそうです。
スパイダーマンというヒーロー的キャラクターと写真を撮ったあとに、お金を要求された時はびっくりしたようです。
チップの事は母親の私自身にもよく知らなかった為、本人には伝えておりませんでした。本人は「NO Money. Bye Bye!」と言ってその場から逃げて来たと言っておりました。面白い思い出エピソードの一つになりました。
帰国後、周囲からいろんな体験話をせがまれても、このスパイダーマンとのやり取りが一番印象に残ったようで そればかりを話ています(笑)

あと、毎日のように車の事故を町中で見かけたようで、「アメリカ人は適当やから、事故ばっかりするねん。毎日、車とスポーツカーとか、車と車とかでぶつかっているんやで!」と、子供ながらにかなり呆れた様子が本当に可笑しかったです。

アメリカの子供達への気後れは無かった?

ホームステイ先に入った初日は、寂しかったのか、少し泣いたそうです。
ですが、その後、ホストファミリーに連れて行ってもらったバーベキュー先で友人の子供達と鼻血を出すほど興奮して遊びまくったようです。
普段、鼻血など出したことがないので、余程楽しかったのだと思います。

保育園のプリスクールでは、初日はドキドキしたそうですが、お友達と遊べて楽しかったと言っていました。
いろんな人種の方がいたようで、言葉が不自由な娘も自然に受け入れられたようで、本当に嬉しく思いました。

アメリカ人の子供達への気後れは、子供同士だったので、あまり気にならなかったようです。何より娘自身が全く違いを意識しておらず、一緒に遊んで楽しかった事だけが思い出になっています。

ただ、保育園の遠足で外出時、道に落ちていたお金を拾おうとした際、お友達から「Ayano, Don’t touch!!」と言われたそうですが、それがどうしてなのかが分からなかったと言っておりました。娘は警察に届けようと思ったそうですが。

言葉が分からなかったことも多々あって、不思議な気持ちにさせられた様子でしたが、苦痛は全く感じていなかったようです。

何処に出かけたことが思い出になりましたか?

出かけたところ全てが楽しかったと言っています。
中でもビーチは初めでの経験だったので、かなりの興奮振りでした。

遊園地では乗り物が6歳から乗れるものばかりだったそうで、5歳の自分はあまり乗れなかったと残念がったり、映画館やボーリング場、消防署を訪問して消防車に乗せてもらい、消防士の帽子をプレゼントされたりと、たくさんの経験ができ、本人は満足しての帰国となりました。

怖かった事、不安だった事はありますか?

「怖かった」のは、ハリウッドを観光していた時に、体重計みたいなものが道端に置いてあり、それに乗ると中からお化けが出てくるよ!と聞かされて、怖くて乗れなかったという事でした。

「ママに早く会いたかった」と帰国後のおしゃべりでずっと言い続けていたので、一人で緊張して一生懸命頑張って来たのだなと痛感しました。
海外初めての5才のひとり旅では、ごく当たり前の感情でしょう。

幼稚園の食事メニューでは、ピザが美味しかったそうで、日本では食べさせていないハンバーガーも初めての体験となりました。

帰国後の第一声は「アメリカは、適当なとこやった!」

ハリウッドで写真を撮った際に、チップを要求された事が大変大きく印象に残ったようで、空港へ到着後帰りの車で、「アメリカはどうだった?」と聞いたら、「おもしろかった!でもほんま、適当なとこやった。スパイダーマンが写真を撮って、お金頂戴って言ってくるし、乗せて欲しくないのに勝手に大きな鳥を手に乗せてきて、頼んでもないのに勝手に写真を撮ってお金頂戴って言うから、それは本当に嫌だった。すごく大人は勝手やった。」と言ったのには、家族中で大爆笑でした。

大人が思うより、子供は強くてたくましいという事を娘から教わりました。

祖母も同じ気持ちで、それまで鬱積していた不安と疑問が、一気に娘の帰国後の顔を見て吹っ切れたそうです。
帰国日、おばあちゃん、叔父とその子供たちと私で空港へ迎えに行き、誰に一番に飛び付いてくるかな?とドキドキしながら待っていました。

綾乃が一番先に私に抱きついて来てくれたことには、素直に感激しました。
抱きついてきた時、ギュッと力を入れてきた娘の細い腕は本当に力強く、小さな体ですごく頑張って来たんだなと実感した瞬間でした。
日焼けした娘は目がキラキラして、とてもいい顔で、我が子ながら成長して、一回り大きくなったと感じました。

彼女の大きな大きな冒険をみていた従兄弟が、人見知りが激しい子なのですが、今年の夏2泊3日のキャンプに挑戦したいと自分から言い出したそうです。
周りに少しずつ嬉しい波紋が拡がっていく気配です。

行く前と帰国後のアメリカに抱く印象の変化はありますか?

行く前は、漠然としたイメージしか抱けなかったようでしたが、帰国後の第一声の「アメリカは適当なとこ!」というのが、一番のリアルな印象だったのだと思います。
アメリカ人の大人に対しての印象と言った方が、正しいかもしれませんが。
また、アメリカに来年行けたら、子供同士だけでもっと遊びたいとも言っておりました。 来年は夏キャンプに行きたいと思っているようです。

まだ幼い子供を単身海外で行かせるのは、確かに冒険ですが、是非他のお母様達にもお勧めしたいと思います。

娘から勇気をもらい、嬉しい波紋となって拡がっています。

私の職場の人が、カンボジアの孤児院に行きたいと、ずっと前から思っていたそうですが、娘の行動に刺激されて、近々訪問すると決意したそうです。

娘の未知の世界にチャレンジして行く勇気が、周囲の人たちへ思いがけない反応に変わり「すごいね!がんばったね!」と言っていただきました。

娘は、デジカメをいつでも持ち歩き、皆にアメリカの写真を見せています。そこに写っている彼女自身の笑顔が、アメリカでの滞在を楽しんだ何よりの証拠です。

母一人子ひとりの家庭だからこそ、子供の自立心を育てる事を考えて、ARCさんに娘を托しました。
娘をアメリカに行かせて本当に良かったと心底思い、娘を自慢したい気持ちで胸が一杯です。貴重なアメリカ滞在経験をさせていただき、ARCの皆さま、本当にありがとうございました。