アメリカ・カナダの4年制大学留学Q&A
米国では、多くの教育機関がサテライト拠点となる分校キャンパスを、州をまたいで複数の都市でも運営しており、本当の合計数の実態は、大学の分校をどう数えるかによっても、数字が大きく上下します。コロナ禍を機に、米国では、数多くの大学閉鎖や統合・合併の動きが、高等教育分野で1年前から加速しております。
2年半近くに及んだコロナ禍対策から、自宅でのリモートワークやオンラインの遠隔クラス受講が、大学間でも大幅に増えた事も重なり、1000名以下の学生を擁する小規模のリベラルアーツ文系私立大学では、その存続が厳しくなっているとも指摘されています。2023-2024年前後の直近では、マサチューセッツ州のベース大学、ロサンゼルス郊外にあるメリマウント私立大学(創立90年以上)などが、学生の激減による財政難から、閉校に追い込まれました。
どちらの国も州立大学は、日本での国立大学にあたります。単純にレベルの高い低いを、大学のカテゴリー別で唱えるのは、あまり意味をなしません。パブリックである州立大学は、政府の教育省で監督されており、実務は各州政府の税金で州教育局によって、運営・管理されています。よって、そこに住む納税者である州民が、地元の州立大学へ優先的に入学受け入れの対象となるのは、当たり前の制度と考えられています。
海外からの留学生も受け入れてはいますが、あくまでも州民がプライオリテイ―の優先権があるため、一定の定員枠内の上限(5~10%)を設けて、留学生を二次的に受け入れているのが現状です。そのため、フレッシュマンの1年生から、知名度の高い4大に留学生が合格する確率が、当然難しくなって合格率も下がります。目指したい州立大に落ちた場合、どうしても又、チャレンジしたい留学生が選ぶ対策が、そこであります。
それは、同州で提携関係(Matriculation Agreement)にあるコミュニティカレッジ(日本の通称:コミカレ)の公立短大への入学に切り替え、2回生までの在籍後に、4大の3年生への編入学を目指す進学案で、留学生にとってのスタンダード路線となります。コミカレには誰もが簡単に入学できて、且つ、授業料もほぼ4大の半額で済む為、留学生にとっては、敗者復活戦の踏み台にもなり費用軽減の一助ともなります。
在籍中の短大・4大から、他都市・他国にある4大への移籍は可能で、常にご本人の自由選択が基本です。初回に入学したカレッジから、将来のトランスファーを進学案にしている留学生は、実際、多数、存在しています。フレッシュマンの1回生で受験するよりも、編入学申請で応募した方が、その4大合格率を大幅にアップできるからです。そのためには、高い積算の成績評価(GPA)のポイントをあげて置くことが、学生としての最優先課題です。
GPAスコアを、最低3.0以上に維持するために、できるだけ「A」が取れやすい科目をアカデミックアドバイザーと相談しながら、2学年の間に履修すべき時間割を、事前にプランするのは編入を考える留学生として、常識的な必須アプローチなのです。どの4大にも単位移行ができる承認された選択科目となる一般教養リストから、履修科目を選ばないとなりません。各学期セメスター毎に、無駄なくどの科目(Subject サブジェクト)を取っていくかのスケジュールを立て、留学生たちは、皆、必死で勉強します。これは、日本の大学生には見られない光景ですね。学生イコール勉学なのです。
ダブルメジャーは、Dual Degree(デュアル ディグリー)とも表示されます。言い換えると、4大在籍中に2つの専攻学科で学士号をゲットする事で、留学生の誰もが目指せる進学プランではありません。自分がよほど興味を抱く学問を2つ以上専攻するため、履修時間や履修単位クレジット数が、1つの専攻で卒業する学生よりも、もっと勉強時間が必要となり、体力的なエネルギーと気力も求められます。
アメリカ留学センターでお世話した日本からの男子学生が、ペンシルベニア州の私立大をダブルメジャーで2022年5月に卒業されました。彼の専攻は、シアタービジュアルアーツとビジネスでした。一見、真反対にも映る学科でしたが、最新のデジタルカルチャーのスキルをアップさせ、マーケテイングビジネスとのリンクで、ご当人にとっては大満足を得た大学生活を送られました。ダブルメジャーの努力の大変さを知っている某企業が、彼の能力を高く評価して、ご本人が望まれる企業での就活成功にも繋がりました。
はい、できます。但し、入学した4大を受講中に、他の専攻学科で3回生になる前に、もっと専門的にどうしても勉強したいと結論できる学問に出会った時だけに、限定された方が良いでしょう。変えたい専攻分野によっては、当初の4年間で卒業できず、半年前後の時間が余分に必要となる事例も報告されています。
例として、ビジネス専攻予定者なら、統計Statics、経済Econmics、会計Accountingなどを一般教養リストから選んで履修されています。但し、医療・サイエンス系に専攻を変えたい時、始めの2年間で履修必須の一般教養科目で、生物バイオロジー、化学ケミストリー、物理フィジックスなどを、事前に履修していなかった場合、それらを取らない限り、自分が希望したい専門課程のサイエンス理系専攻で、3回生へと進学できないルールです。常に、アカデミックアドバイザーとの綿密な相談をお勧めします。
はい、できます。他の4大への転校するタイミングですが、一般教養科目をできるだけ沢山履修し、クレジット数を最低50~60単位以上を貯金し、良い成績GPAで結果を出せているならば、貴方の転校チャンスはもっと高められ、希望する4大への移行が可能となります。
すべての編入学においては、積算成績評価(GPA)のポイントが、編入学の受験で審査基準となるため、努力を惜しまない留学生にも、公平な評価が与えられるベネフィットだと、編入学を前向きに受け止めて構いません。最終的に皆さんが、どの4大を最後に卒業したいかを自問され、「成功する留学」の実現に向けて、ご自身の夢を希望を形にされてください。
卒業率の試算法は、学生が入学して学位を取得できるまでにかかる学生数とその期間、転校生数などで査定されます。トランスファーと呼ばれる転校で大学を去って行く学生が多数なら、そして、学業不振で中退者が増えたなら、卒業比率は当然下がる仕組みです。大学を評価する基準は多様ですが、そのひとつの基準ともなるのが、卒業率と考えられています。この比率が高いほど、学生の満足度も正比例し、その大学への評価に連動してアップしていきます。中には、卒業率が35%と言った大学もあり、びっくりさせられます。
北米の4大は、4年間を掛けて学士号をとるのが一般的です。英国連邦の諸国やヨーロッパ諸国の大学は、3年間で学士号が授与されて、1年間の差が生じています。1年間がトクすると、勘違いされないでください。国を問わず、もし、国際バカロレア(通称:IB)、又は英国系でポピュラーなA-1レベル修了での高卒資格を持つ留学生なら、大学フレッシュマンで入学できれば、3年間で卒業できます。一般の北米のデイプロマ卒業資格をもつ留学生、又は日本の普通科高卒者の場合、ファンデーショ準備コースと呼ばれる1年間の履修が入学時に求められる為、通算すると4大卒までに、合計するとおなじ4年間が必要となる計算に落ち着きます。
米国・カナダの私立・公立校にも、国際バカロレア(IB)を提供する学校は、多数あります。但し、日本からの留学生が2学年以上、英語授業の受講経験者でなければ、11年生(高2)から2学年掛けてIB受講できる英語力が不足気味で、敢えてIBでの卒業をお勧めしておりません。多くの高校留学生たちは、一般の北米高卒デイプロマ資格で卒業されています。詳しくは、私たちの高校留学のページを参照されてください。